「学校へ出たら斃(たお)れるまでは決して休むな」

 秀三郎は「巨人」とも「ライオン」ともいわれ、「世の中に恐いものはない」とまで自ら豪語するような明治を代表する学者だったが、唯一畏敬の対象とした人物が父永頼だった。
「私は子供の時から剛情我慢と云う習慣を養われた。私の父親は非常に頑固で学校へ出たら斃れるまでは決して休むなといわれた位いで今迄病気抔で学校を休んだ事はない」(『斎藤秀三郎伝 その生涯と業績』大村喜吉)


【『嬉遊曲、鳴りやまず 斎藤秀雄の生涯』中丸美繪〈なかまる・よしえ〉(新潮社、1996年/新潮文庫、2002年)】


嬉遊曲、鳴りやまず―斎藤秀雄の生涯 嬉遊曲、鳴りやまず―斎藤秀雄の生涯 (新潮文庫)
(※左が単行本、右が文庫本)