古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

文庫化『壊れた脳 生存する知』山田規畝子(角川ソフィア文庫、2009年)



壊れた脳 生存する知 (角川ソフィア文庫)

 三度の脳出血で重い脳障害を抱えた外科医の著者。靴の前後が分からない。時計が読めない。そして、世界の左半分に「気がつかない」……。見た目の普通さゆえに周りから理解されにくい「高次脳機能障害」の苦しみ。だが損傷後も脳は驚異的な成長と回復を続けた。リハビリをはじめとする医療現場や、障害者を取り巻く社会環境への提言など、障害の当事者が「壊れた脳」で生きる日常の思いを綴る。諦めない心とユーモアに満ちた感動の手記。