古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

水田邦雄保険局長の欺瞞

「効果のはっきりしないリハビリが長期にわたって漫然と行われている」という専門家の指摘が、今度の診療報酬改定の最大の理由として、何度となく繰り返されてきた。「高齢者リハビリテーション研究会」の専門家からの指摘であると繰り返し主張された。
 ところが、(2006年)11月28日の衆議院厚生労働委員会で、社民党福島みずほ党首の質問で、大変なことが明るみに出された。高齢者リハビリ研究会の議事録をどんなに詳細に読んでみても、そのような指摘は一度もなされていない。こんな大事な発言が議事録に載っていないのだ。その上180日の上限日数など、議論された形跡はない。
 政府参考人の水田邦雄保険局長は、「議事録には載っておりませんけれども、一般論として申し上げまして、委員が共通認識として持っていることであれば、それは最終報告書の段階で意見集約、調整の段階でそれが報告書に盛り込まれるということはそれはあり得ることであろうし……」と歯切れの悪い答弁をしている。


【『わたしのリハビリ闘争 最弱者の生存権は守られたか』多田富雄青土社、2007年)】


わたしのリハビリ闘争 最弱者の生存権は守られたか