古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

藤井直敬、加藤典洋


 1冊挫折、1冊読了。


 挫折11『つながる脳』藤井直敬〈ふじい・なおたか〉(NTT出版、2009年)/毎日出版文化賞受賞作品。誠実さが強過ぎて、まだるっこくなってしまっている。文章の話だ。「僕」という一人称も鼻につく。不思議なほどわかりにくい文章である。40ページほどで挫ける。


 17冊目『言語表現法講義加藤典洋岩波書店、1996年)/これは勉強になった。明治学院大学国際学部での講義を編集し直したものだが、いやはや凄い。テクニカルな視点で表現の豊かさを追求している。加藤の比喩が絶妙。言われなければ気づかないことが満載。ブロガーは必読のこと。数多くのテキストが引用されており、読書案内としても秀逸。傑出したプレゼンテーション能力にたじろぐがいい。