古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲


 世界が原子で構成されているなら、「私」という存在は原子と原子の間で揺れる波のようなものだろう。飛沫は失った何かである。そして私は瞬間瞬間の変化を拒絶しながら、昨日までの自分の形状にこだわっているのだ。私は寄せるだけで、返す波は別人である。今、「私」という現象があるだけに過ぎない。