1冊挫折、1冊読了。
挫折2『良心の危機「エホバの証人」 組織中枢での葛藤』レイモンド・フランズ/樋口久訳(せせらぎ出版、2001年)/数十ページしか読んでいないのだが、構成が悪いような気がした。この手の本はコンパクトに流れを説明するべきだ。資料的な価値を重んじると、教団関係者以外の興味を引き寄せることが難しい。著者の誠実な人柄が伝わってくるだけに惜しまれる。
7冊目『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』米原万里〈よねはら・まり〉(角川書店、2001年/角川文庫、2004年)/プラハのソビエト学校で学んだ思い出を回顧し、30年後に友人を訪ねた際のエピソードが綴られている。様々な人種が入り乱れているので、当時の国際情勢が非常によく理解できる。著者は通訳を生業(なりわい)としているので、合間合間に盛り込まれた歴史ネタも大変勉強になった。「白い都のヤスミンカ」が秀逸。ヤスミンカとの思い出は下手な小説よりも面白い。大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。米原万里は2006年に癌で逝去。まだ56歳という若さだった。