M・スコット・ペック


 1冊読了。


 5冊目『平気でうそをつく人たち 虚偽と邪悪の心理学M・スコット・ペック/森英明訳(草思社、1996年)/2月の課題図書。あまりにも面白くて直ぐに読み終えてしまった。原題は「虚偽の人々」。現在、精神病質は人格障害という概念になり、アメリカではサイコパスよりもソシオパスという言葉が使用されている。だが、M・スコット・ペックは厳密な線引きをしている。悪性のナルシシズム、罪悪感の欠如などによって、日常的に嘘をつき、責任転嫁をし、話を摩り替える。そこには必ずスケープゴートされる人が出てくる。実際にこうした人物と時々出会うことがある。肥大した自我は他人の話を聞き入れることができない。ミスを犯しても謝らない。物事を主観的にしか捉えることができない。このようなタイプの人間は殆どの場合、周囲から魅力的に思われていることが多い。ま、極端な話だが芸能人の大半は人格障害であると私は考えている。テレビのように善悪の概念が薄弱な世界を私は他に知らない。ADに指図されれば何でもやってのけるような手合いばかりなのだ。終盤はベトナム戦争ソンミ村虐殺事件を通してアメリカの病理をしかと見据えている。実に骨太な心理学書である。