シンボルとしてのマンダラ

 タントリズムにあっては、すべてがシンボルに置きかえられる。世界も仏もシンボルとなる。シンボルあるいは記号の集積の中で、タントリズム儀礼あるいは実践が行われるのである。後ほど考察するマンダラも、シンボルあるいは記号の統合された集積にほかならない。かたちのあるもろもろのもの(諸法)が、かたちあるままで「熱せられて線香花火の火の玉のように震えながら」シンボルとなるのである。


【『はじめてのインド哲学立川武蔵〈たちかわ・むさし〉(講談社現代新書、1992年)】


はじめてのインド哲学 (講談社現代新書)