古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

フィリップ・ヤンシー、フレート・ブライナースドルファー


 1冊挫折、1冊読了。


 挫折56『祈り どんな意味があるのか』フィリップ・ヤンシー/山下章子訳(いのちのことば社、2007年)/単なるキリスト教の本だった。出版社名で気づくべきだったな。20ページほどで中止。


 107冊目『「白バラ」尋問調書 『白バラの祈り』資料集』フレート・ブライナースドルファー編/石田勇治、田中美由紀訳(未來社、2007年)/資料なので読み物として面白くないのは我慢しよう。ただ、3200円という値段は我慢がならない。2005年に公開された映画『白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々』の制作記録であるらしいが、資料としてはそこそこ価値があると思われる。ナチスの横暴に「ノー!」と叫んだ彼等は清らかで気高い魂の持ち主だった。そうであるがゆえに脇が甘かった。ショル兄妹が逮捕されたのは油断としか言いようがない。ドイツでは「白バラ」の学生が立ち上がった。日本人は全員が伏せたままだった。彼我の相違は何によるものか。それにしても、未來社の活字は太くて読みにくい。講談社文庫よりも酷い。読了に時間がかかったのもそのためだ。