古本屋の覚え書き

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『誓い チェチェンの戦火を生きたひとりの医師の物語』ハッサン・バイエフ(アスペクト、2004年)



誓い チェチェンの戦火を生きたひとりの医師の物語

 本書は、チェチェンに生まれ育ち、戦火の中で自らの命を危険にさらして、すべての傷ついた人々を治療し続けた医師の自伝である。世界で最も過酷な戦乱の中にあるチェチェンで、人間の尊厳のために命を賭けた著者の勇気(その功績に、米人権擁護団体H・R・Wは、「ヒューマンライツ・ウォッチ賞」を授与)は、読む者の魂を揺さぶらずにはおかない。