古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

『生命の起源 科学と非科学のあいだ』ロバート・シャピロ/長野敬、菊池韶彦訳(朝日新聞社、1988年)



生命の起源 科学と非科学のあいだ

 地球上の生命はどうやって生まれたのか――この問いは人類の歴史と同じほどに古いが、現在も解答は得られていない。生化学を専攻する著者はユーモアあふれる語り口で、化学物質スープ説、粘土起源説、宇宙飛来説から宗教、神話にいたるまで、さまざまな考えを見事に紹介する。それぞれがよって立つ根拠は何なのか、どの説が「科学の基準」をみたすものなのかを検証し、解答への道すじを示唆する。「科学の方法」を導きの糸に、地上で最大の謎にいどんだ論争の書。