(※左が単行本、右が文庫本)
記者クラブの腐敗を暴き、日本の新聞の病理を抉(えぐ)る。いま日本の新聞の衰退ぶりは深刻である。政官業界の目を覆いたくなる惨状を惹起した要因のひとつは、監視能力が著しく低下した新聞にあるといってよい。健全な民主主義のためにはジャーナリズムの復権が不可欠である。新聞のグローバル・スタンダードからほど遠い記者クラブや宅配制は、新聞の自立を妨げ弱体化させる以外のなにものでもない。本書は、破綻寸前の日本システムが立ち直るためにも、新聞ジャーナリズムの健全化と活性化を願うものである。
官公庁と癒着関係を続ける「記者クラブ」の腐敗を暴く。オンブズマンの告発まで、新聞が「官官接待」報道をできなかった理由。現状の「記者クラブ」は、なぜ「権力の監視機関」たりえないか。新聞界の雄「株式会社朝日新聞社」の抱える内憂外患。衰退一途の日本の新聞ジャーナリズム。その健全化と活性化の条件。