山形県出羽桜酒造の「一路」を呑んだ。正確には「出羽桜 純米大吟醸 しぼりたて生原酒 一路」(500ml)と書かれている。麗々しく「IWC 2008 インターナショナル・ワイン・チャレンジ『SAKE』部門 最優秀賞」と書かれた紙がビンの首からぶら下がっている。
ビックリした。まず花の薫りが鼻腔をくすぐる。一口呑むや否や、フルーティーな味わいが拡がる。後味もスッキリしている。「待てよ、そんなわけないよな」と思いながら、グビグビ呑んでしまう。「あれ、おかしいな」と感じているうちにビンは空になっていた。
何がおかしいか? 米が果実であることを思い知らされるのだ。いや、米はもちろん果実ではない。だが一路の味わいは、まったく果実と変わりがないのだ。表現する適当な言葉が見当たらない。
地元山形県でも入手が困難なようだ。呑めば、「それも当然」と得心がゆく。こんな旨い酒はいまだかつて呑んだことがない。