中丸美繪、パトリック・ジュースキント


 1冊挫折、1冊読了。


 挫折20『杉村春子 女優として、女として』中丸美繪(文藝春秋、2003年)/『嬉遊曲、鳴りやまず 斎藤秀雄の生涯』が傑作であっただけに、本書に物足りなさを感じてしまうのは仕方がないのかもしれぬ。アクセントが欠けていて冗長。取材時間に比例しているのだろうが、それにしても幼少期や出生にまつわる記述が長すぎる。76ページで挫ける。


 51冊目『ゾマーさんのことパトリック・ジュースキント池内紀訳(文藝春秋、1992年)/『香水 ある人殺しの物語』とは毛色の異なる小品。幼い頃の葛藤を生き生きと描き、ゾマーさんという不思議な人物が登場する。ゾマーさんは「過ぎ去った時間」の暗喩か。実は、佐野洋子が絶賛していたので読んでみた。個人的には『香水』の方が好み。ドイツ本国ではクリスマスプレゼントとして売れに売れた模様。