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ソロス氏:この4週間の米株高は「弱気相場の一時的反発」にすぎず

 昨年、他のヘッジファンド・マネジャーが軒並み損失を被ったなか利益を上げた資産家ジョージ・ソロス氏(78)は6日、米景気収縮が依然続いていることからみて、過去4週間の米株上昇は強気相場の始まりを意味していないとの見解を示した。
 ソロス氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、株価のこのところの反発について「われわれはまだ経済を立ち直らせていないので、ベアマーケット・ラリー(弱気相場の一時的反発)だ」と分析した上で、「現在の金融危機は私たちがこれまで経験したものとは異なる」と述べた。
 米S&P500種株価指数は、米リセッション(景気後退)が最悪期を脱したとの楽観的見方が強まり、3月9日以来24%上げている。しかしソロス氏は、米景気縮小は続いており恐慌に陥るリスクもあると指摘した。
 ただ、同氏は「われわれが多国間で、かつ多少なりとも協調した形で対応する限り、乗り越えられると思う」と語った。
 米国株は6日、政府の銀行支援策が予想ほどの効果をもたらさないのではないかとの懸念や貸倒損失の水準が大恐慌時を上回るとの観測から5営業日ぶりに下落。ソロス氏は、銀行が「生命維持装置」を付けた状態にあり、金融システムは「かなりの水面下」に沈んでいると述べた。


ブルームバーグ 2009-04-07】