古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

4月から負担増、ヒドくなる庶民生活

高齢者、母子家庭、弱者切り捨て


 バラマキ定額給付金燃油サーチャージ値下げで、「海外旅行だ」「給付金セールだ」と消費意欲が高まっているかのような報道が目立つ。しかし、浮かれるあまりムダ遣いするのは禁物だ。お年寄りなどを中心に、4月から“負担増メニュー”がズラリだからだ。
 全国で「また老人イジメか!」と大ブーイングなのが、後期高齢者医療制度の月額保険料一部負担増。75歳以上で年金収入が年80万超〜168万円以下の場合、均等割り軽減が85%から70%になって負担増となる。これまでの年6000円強ほどの負担から、1万2600円程度にまで倍増する見込みだ。
 また、65歳以上の介護保険料が月平均4090円から4270円程度となり、年2160円ほどの増額。国民年金保険料は月250円アップし、年間にして3000円の負担増である。
「母子家庭も大変です。15歳以下の子供がいる家庭に支給されていた生活保護母子加算が、4月から廃止されます。06年には東京23区で月2万3000円だった支給額が、昨年は7800円に減り、今年はついにゼロ。働きたくても不況で仕事が見つかりません」(母子家庭の40代主婦)
 多くの電力会社は電気代を下げるが、中部・九州電力は値上げ。ガス代も東京や大阪ではアップだ。経済ジャーナリストの荻原博子氏が言う。
「3月決算時期で株価が値上がりしていますが、4月以降は市場は一段と冷え込むでしょう。春闘はベアゼロや賃下げが相次ぎ、多くの家庭では家計が厳しくなると予想されます。パーッと使いたい気持ちも分かるが、油断してはいけません」
 今の状況下、定額給付金でパーッとなんてサラリーマンは、まあいないだろうけど。


日刊ゲンダイ 2009-03-30