【リオデジャネイロ】世界最大のカトリック人口を抱えるブラジルの北東部ペルナンブコ州で、義父に強姦(ごうかん)され妊娠した少女(9)が今月初旬、中絶手術を受けたところ、カトリックの大司教が、中絶に同意した少女の母親と担当医らを破門した。
医師側は「少女の命を守るため」と反論、大統領も巻き込んだ大論争となっている。
地元紙によると、少女は同居する義父(23)に繰り返し性的暴行を受けていた。2月下旬に腹痛を訴えて母親と病院に行くと、妊娠4か月と判明。医師は、少女の骨盤が小さく、妊娠を続けると生命にかかわると判断し、今月4日に母親の同意を得て中絶手術を行った。
ブラジルでは、強姦による妊娠と、母体に危険がある場合、中絶は合法だが、ジョゼ・カルドーゾ・ソブリーニョ大司教は「強姦は大罪だが、中絶はそれ以上の大罪」と述べ、教会法に基づいて医師らを破門。これに対し、ルラ大統領は「医学の方が正しい判断をした。信者の一人としてこのように保守的な判断は残念」と大司教を批判した。
大司教は「大統領は神学者と相談してから意見を述べるべきだ」としていたが、高まる世論の反発を受け、司教協議会は12日、「大司教は破門の可能性について言及しただけ」との見解を発表した。今後は、破門の有効性が論議を呼びそうだ。
カトリック信者の多い中南米では、過去にも、強姦で妊娠した少女の中絶の是非を巡り、激しい論争が起きている。
【読売新聞 2009-03-15】
この「一見清らかに見える“愛”」が、もう一方で憎悪を生むのだ。クリスチャンに二重人格者が多いのもこれが原因だ。ジョゼ・カルドーゾ・ソブリーニョ大司教は、他人を裁く前にまず自分の罪を自覚すべきだ。アメリカにもかようなキリスト教原理主義者が南部を中心に山ほど存在し、ジョージ・ブッシュを支持していた。人工中絶に手を貸した産婦人科医が殺される事件まで起きている。キリスト教の正義は平然と他人を殺す。