1冊挫折、1冊読了。
挫折12『コーチングの神様が教える「できる人」の法則』マーシャル・ゴールドスミス、マーク・ライター/斎藤聖美訳(日本経済新聞出版社、2007年)/24ページで挫ける。本文の冒頭に「私についてお話ししよう」と書いてあるのを見て、思わず「いえ、結構です」と声に出した。鼻持ちならないヤンキーの匂いに耐えかねた。また、そういう顔つきをしているんだよな。タイトルの付け方も品が無さ過ぎる。
32冊目『戦場から生きのびて ぼくは少年兵士だった』イシメール・ベア/忠平美幸訳(河出書房新社、2008年)/今日一日で読み終えた。シエラレオネの元少年兵による手記。レヴェリアン・ルラングァ著『ルワンダ大虐殺 世界で一番悲しい光景を見た青年の手記』を彷彿とさせる。しかも同時期である。前半は戦乱の渦中で家族を殺された12歳の主人公が、逃げ続けた果てに政府軍に参加して反乱軍を殺戮する内容。後半は政府軍から放り出され、リハビリテーション施設で治療を受け、新しい人生を歩む様子が描かれている。とにかくプロットと文章が巧み。イシメール・ベアは1980年生まれ。戦場でマリファナやコカインなどの薬物を常習してきた少年達は、リハビリ施設内でも元反乱軍と聞くや否や、相手を刺し、目玉を抉(えぐ)り抜き、隠し持っていた手榴弾を放つ。子供の視点から描かれているため深刻さが稀薄で、そのことが問題の深さを一層鮮やかにしている。イシメール・ベアはリハビリ治療を受けた後、叔父に引き取られるが、またしても戦乱に巻き込まれる。その後、一人でシエラレオネを脱出し米国に渡る。現在はアメリカの国際人権NGOの職員として活躍している。