古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

宮本省三


 1冊挫折。


 挫折8『リハビリテーション・ルネサンス 心と脳と身体の回復 認知運動療法の挑戦』宮本省三(春秋社、2006年)/認知運動療法に関する専門書。文章は上手いのだがバランスが悪い。批判を羅列し過ぎ。「ならない」の多用も目立つ。学生運動のアジ演説さながら。著者の性格が独善的なのか、あるいはリハビリ業界に対する怒りが勝ち過ぎているのだろう。致命的なのは、仮説を引用して断定しているところ。長い文章だと馬脚を露わすので、新書を書いた方が無難だと思う。偉そうな態度が気に入らず78ページで断念。PT(理学療法士)、OT(作業療法士)、ST(言語聴覚士)の賃金を鑑みれば、著者はあまりにも多くのことをセラピストに望み過ぎている。