古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

ジョン・F・カーター、湯本香樹実


 1冊挫折、1冊読了。


 挫折6『フルタイムトレーダー 完全マニュアル』ジョン・F・カーター/長尾慎太郎監修、山下恵美子訳(パンローリング、2007年)/3部21章からなるが、読んだのは第1部のみ。それ以降は具体的過ぎてダメ。米国の銘柄である上、チャートやソフトも直ぐ入手できるかどうかがわからない。第1部の内容がよかっただけに残念極まりない。この値段であれば、アレキサンダー・エルダー著『投資苑 心理・戦略・資金管理』の方がオススメ。


 20冊目『夏の庭 The Friends湯本香樹実徳間書店、2001年)/広井良典著『死生観を問いなおす』(ちくま新書)で紹介されていた一冊。死に興味を抱いた小学生3人が、独り暮らしの老人が死ぬ瞬間を見ようと観察を開始。いつしか老人との交流が始まる。科白が上手い。細かい描写もしっかりしている。時々秀逸な文章が立ち現れる。予想以上に面白かった。見返しには、寺山修司に師事したと書かれている。更に本書は、10ヶ国以上での翻訳が決まり、世界中の児童文学賞を総なめにしているのこと。「死」という重いテーマであるにもかかわらず、実に爽やかな読後感を残してくれる。