集中とは孤独・内閉に向かう力/『集中力がつく本』多湖輝


 集中力とは時間を忘れることのできる力だ。つまり、相対性理論から見れば、思考のスピードが光に近づいているといえる。多分。っていうか、そう言いたいんだよ、俺は(笑)。

 天才の心の中にひそむ、炎のような情熱と創造への意志は、それ自体ひとつの謎であり驚異でもあるが、これを現実の偉大なる業績に結びつけたものは、彼らの精神が持つ、極度の集中力であった事は間違いない。いわば“天才”とは、集中力の達人と言い換えてもよい。


【『集中力がつく本』多湖輝〈たご・あきら〉(ゴマブックス、1981年)以下同】


 また、集中力と聞けば誰もが虫眼鏡で太陽光線を一点に集める様相を思い浮かべることだろう。そう。集中力とは他のものを見えなくする力でもある。「あなたしか見えない」ってわけだな。


 実はこの本、上京直後に品川区のゴミステーションで拾ってきたものだった。よもや、これほどの言葉に巡り合えるたあ思わなかった――

 集中とは、孤独・内閉に向かう力だ。


 痺れるね。クウー、堪らん。羽生善治の言葉を思い起こす。集中力とは、無我夢中で没頭する積極的な生きざまそのものだ。何かに熱中できることは、それ自体が才能と言える。我を忘れて生きろ。気がついたら死んでいた――そんな人生を歩みたい。


集中力がつく本