マーティン・プリマー、ブライアン・キング、野田正彰


 2冊読了。


 2冊目『本当にあった嘘のような話 「偶然の一致」のミステリーを探る』マーティン・プリマー、ブライアン・キング/これは面白かった。第一部では科学や数学の情報を盛り込みながらも、第二部で驚くべきエピソードを並べ立て、「偶然教」の信者を木っ端微塵にしようとする意図が明白だ。「まあ、よくぞここまで集めてくれた」と感嘆するほど凄い。少しばかり気になったのは、訳者が4人いるのだが、第二部が章立てされていないため、非常にわかりにくい。発行元のアスペクトの杜撰さが露呈している。また、後半部分の訳文がわかりにくい箇所が散見される。


 3冊目『戦争と罪責野田正彰友岡本で紹介されていたもの。これは判断が難しい本だ。日本人による戦争犯罪のインタビューが元となっている。初めのうちは恐るべき事実にただただ圧倒され、半ばから「あれ?」という疑問が湧いてくる。本来であればインタビュアーである野田の立場は第二者であるわけだが、何度となく精神科医としての立場から診断、及び審判を下してしまっている。しかもこれが、「あるべき反省と悔恨の姿」を想定したものとなっていて、かような態度が傲慢に映ってしまうのだ。本書で紹介されている戦争犯罪は断じて許されるべきものではない。しかし、個々人の犯罪を暴き立て、その事実を糾弾し、本人がのた打ち回るような苦しみに喘いだとしても、贖罪(しょくざい)になるとは到底思えない。読みながら違和感を覚えるのは、『戦争と罪責』というタイトルがどうしても大きなテーマに見えてしまうためだ。正確を期すならば、『戦争犯罪に駆り立てる精神病理と彼等の戦後』とすべきであろう。国家を不問に付して、個々人の罪を責め立てているように感じてならなかった。これについては、私の読み間違いということもあり得る。数年後に再読したい。