古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

安斎育郎、山本周五郎


 2冊読了。


霊はあるか 科学の視点から』安斎育郎/科学の視点から霊を読み解く。ややくどい記述はあるものの、そこそこ面白かった。ただ、結論としては養老孟司に軍配が上がる。


日日平安山本周五郎/10年ぶりに周五郎を読んだ。涙が噴き出たのは土田世紀の『同じ月を見ている』以来か。11編の短編がバラエティに富んでいる。武家もの、人情もの、そして推理ものといった趣がある。周五郎の小説群には、人間を再発見させるほどの力がある。本書を読まずして、読書の至福を語る資格はないとまで言いたくなる。