2冊読了。
『メービウスの環(上)』ロバート・ラドラム/ラドラムの遺作である。イントロが長過ぎる上、展開がわかりにくい。過去に自分の命を救ってくれた、世界的な平和活動家を救出する内容。主人公が選んだチームの面々が勢揃いした時も、実にあっさりしたものだ。美男・美女の形容も陳腐な上、必要性が全く感じられない。「老いたのかな」というのが率直な所感である。それでも、今まで数多くの作品で楽しませてくれた恩義を噛みしめながら、ラドラムと対話するつもりで読んでいる最中だ。
『「わかる」ことは「かわる」こと』佐治晴夫、養老孟司/イマイチである。いや、今三ぐらいだな。大物二人であっても、企画性がなければただの茶飲み話で終わるという例になっている。珍しくAmazonの評価がハズレ。大ハズレだよ。★二つ半で十分だ。養老孟司の性格が悪いであろうことは、文章からも想像できるが、相手から学ぼうとする姿勢がこれっぽっちもない。単なる主張に終始している。それにしても、学者同士の対談ってこんなもんなのかね? 畑違いの分野から人選すれば、もっと面白くなったのかも知れない。活字が大きく、改行も多いスカスカ本。養老孟司を読んだことのない人であれば、それなりに楽しめるかも。