野口晴哉、小田嶋隆


 1冊挫折、1冊読了。


風邪の効用野口晴哉(のぐち・はるちか)/本当は『整体入門』を読みたかったのだが、こっちが先に届いてしまった。昭和37年に書かれた本である。「風邪は治すべきものではなく、経過するものである」と説いている。で、「風邪が治った後は、それ以前より体調がよくなっている」とも。だが残念なことに、著者は整体法の施術者であって、文章家ではなかった。問題は、科学的、医学的な裏づけがどこにも記されていないことだ。このため、「私の言うことは正しいから、必ず幸せになれる」と断言する新興宗教の教祖に見えてしまうのだ。数行読むたびに、「そいつあ、あんたの言い分に過ぎないよ」と難癖をつけたくなるほどだ。「背骨に意識を集中して呼吸を行えば、背骨に汗が出てくる。すると風邪は治る」というような件(くだり)を読んだ瞬間、私の背筋には冷や汗が流れた(ウソ)。文章力の次元において、トンデモ本であることは確かだ。


「ふへ」の国から ことばの解体新書小田嶋隆/ここのところ、オダジマン漬けである。ややパワーが落ちた感があるが、それでもそこいらに転がっているコラムと比較すれば、やはり抜きん出ている。「しゃべりスキン」の駄洒落には大笑い。この頃、2児の父になったことが書かれているので、口を糊(のり)するために書いていた可能性もありますな。