古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

田川建三


 1冊挫折。


キリスト教思想への招待田川建三山村修著『〈狐〉が選んだ入門書』で紹介されていた一冊。仏教徒である私が後学のために紐解いたが、やはりダメだった。文章は威勢がよくって面白いのだが、如何せんキリスト教的な論理の飛躍が目につく。キリスト教全般における手口は大体において次のようなものだ。理路整然とダーウィンの『進化論』を徹底的に批判した上で、「“だから”神様が創造した」という論理構成。このため、どうしても牽強付会の印象を拭えない。田川氏の威勢のよさが、飛躍した論理を強調する結果となっている。同じ主張が何度となく繰り返されている点も気になった。