3冊読了。
『動物保護運動の虚像 その源流と真の狙い』梅崎義人――これは必読テキスト。梅崎氏を知らなかった自分が恥ずかしい。なぜ、日本の捕鯨が世界から糾弾されているのか、に始まり、環境問題がアメリカ東部エスタブリッシュメントによって作り上げられた運動だと書かれている。その目的は、有色人種国家の人口と経済をゼロ成長にすることだ。環境問題を世界に意識させたのはローマクラブが発表したレポート『成長の限界』(1972年)だが、スポンサーはロックフェラー一族である。動物保護運動の攻撃は常に有色人種国家に向けられていて、同じ行為をしていたとしてもアングロ・サクソン国家を糾弾することは絶対にない。世界がどのような力学で動いているかが、実によく理解できる。
『決断力』羽生善治――読みやすい文章に驚く。思考の明晰さのなせる業か。水のように澄み切った性質が窺える。覇者のイメージあるも、温厚で謙虚。
『老人介護 常識の誤り』三好春樹――この人の文章は心地いい。時々吹き出してしまうほど面白い箇所がある。現場の知恵が医療を笑い飛ばし、地に足のついた介護論を提唱。結局は、「介護される人」から学ぶ他ないのだろう。じめっとしたところがなく、明るい姿勢が好ましい。