古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

『無法バブルマネー終わりの始まり 「金融大転換」時代を生き抜く実践経済学』松藤民輔

 中国バブルが崩壊したとき、虎の子の株券は紙くずに変わる。ローンでマイカーを購入した人民は、いま、サブプライムローンで苦しんでいるアメリカ市民の二の舞となることだろう。
 さらに、中国の息の根を完全に止めるのは、じつは北朝鮮なのではなかろうか。
 核と拉致の二つの問題で進展があったとき、アメリカと日本は北朝鮮と国交を結ぶことになる。中国人より数倍も手先が器用で、おそらく労働賃金が世界一安くとも必死で働く北朝鮮の人々。とするならば、北朝鮮が、いずれ世界の生産拠点になる可能性はけっして低くない、と判断していい。そのとき、世界の生産拠点は、中国ではなく周辺国に移っているだろう。
「空洞化」した中国は静かに没落し、各省ごとに分裂して再出発するしかない。