海外で女性問題に巻き込まれたとする週刊文春の記事で名誉を傷つけられたとして、前財務相の谷垣禎一衆院議員が、発行元の文芸春秋と編集者を相手に2200万円の損害賠償と謝罪広告を求めた訴訟の判決で、東京地裁は9日、名誉棄損を認め、330万円の支払いを命じた。
石井忠雄裁判長は、同社が谷垣議員が女性問題に巻き込まれた根拠とした警察庁作成の資料について、「警察庁が作成した事実は確認できない」と述べた。さらに、「資料を入手した経緯について具体的な主張がない」として、信用性を否定した。
一方、謝罪広告については、「記事が、谷垣議員の政治活動に特段の影響を及ぼしたと認められない」として、訴えを退けた。
判決によると、週刊文春は2005年12月8日号で、谷垣議員が1988年、中国で女性問題に巻き込まれ、中国公安当局から事情聴取を受けたとの記事を掲載した。
文芸春秋社長室の話 判決は情報源の秘匿という報道機関の責務を逆手に取るもので、このような司法の現状に暗たんたる気持ちを抱かざるを得ない。
【FujiSankei Business i. 2007-07-10】