- 監督:周防正行
昨日は水谷修氏の講演に行き、今日は映画。目指すは“文化的な生活”だ。
周防作品は、大ヒットした『Shall weダンス?』も観ていないので初めて。前田有一さんが褒めていただけのことはあった。
監督の力量が見事に発揮された作品。法律の現在と専門知識を「別冊宝島」的に表現した趣がある。
科白のバランスが絶妙で私は終始、笑い声を抑えることが出来なかった。阿蘇山大噴火とおぼしき登場人物もグッド。
裁判は駆け引きという名のゲームである。判決は現行の法律に照らして下されるもので、正義や真理を明らかにする舞台ではないのだ。
伊丹十三ほどあからさまな表現をすれば、命を狙われる可能性もあるが、周防監督はギリギリの線で、かなり頑張っているように見受けた。
私が見た邦画では、『麻雀放浪記』以来の傑作だ。