古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

『沈黙の行方』


 心理サスペンス。キリスト教の要素が非常に色濃く表れている。「救い」という結末のために、わざわざこれほどの状況を作り出すとは本末転倒のような気がする。


 冒頭と、第3コーナーの面会シーンが、まあ、「告白」といったところだろう。


 キリスト教文化それ自体は優れたものであると思うが、拙い作品になると、どうしても「作為」を感じてしまう。でもまあ、それは、「神が世界を創造した」ことに起因しているのかも知れない。


 クリント・イーストウッド監督作品のストイシズムも、キリスト教の影響だと考える。