古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

『9.11 アメリカは巨大な嘘をついた』ジョン・コールマン博士/太田龍監訳

 ノーム・チョムスキーの『9.11 アメリカに報復する資格はない!』をはるかに凌駕する内容。尚、『陰謀家たちの超権力構造 三百人委員会 ついに暴かれた秘密世界政府の“極悪”正体!』によれば300人委員会のメンバーの一人にチョムスキーの名前も挙がっている。


 あらゆる角度から検証し、疑問が提示されている。その中で特筆すべきは以下――


 小型飛行機による訓練を3ヶ月も受けてないパイロットが、460メートル足らずの低空で60度の旋回ができるはずがない。そもそもアメリカの商業航空機にはハイジャック・システムが導入されており、たとえ自動操縦装置を解除しようと、あらかじめ設定された目的地に着陸できるようになっている。ここから推論できるのはハイジャックが実は地上で行われていたということ。更にコールマンは犯行はイスラエル諜報員の可能性が高いと説く。


 世界貿易センターの崩落には誰もが見落としている点が指摘されている。航空機のジェット燃料が燃えたとしても鋼鉄製の柱が溶けることはあり得ない。アセチレン・トーチをもってしても溶けることはなく割れるだけだ。


 ハイジャックの実行犯についても重大な疑問がある。1機目のパイロットだと見られる人物のパスポートが8ブロック離れた瓦礫(がれき)の上で発見された。物証は至るところで「発見されるために」残されていた。


 また「テロリストとの戦い」を声高に叫ぶアメリカは、アフリカで繰り広げられているテロに関しては無視を決め込んでいる。


 9.11テロアメリカが石油戦争を行うために必要不可欠な演出だった。全く同じ手口が日本の真珠湾攻撃の際にも使われたという。


 欧米の本当の歴史を知るには秘密結社とカルトを理解しなければ無理なようだ。


 尚、チョムスキーの『9.11 アメリカに報復する資格はない!』に対する言及がなかったのが残念。