古本屋の覚え書き

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民主党の新代表に前原氏

 今日、民主党の両院総会があり、新代表に前原誠司氏が選ばれた。菅直人候補と2票という僅差。伝えられているところによると、投票を決めかねていた若手議員などが、演説を聞いて前原氏に投票したという。


 ビデオを見て直ぐに感じるのは、菅直人が相変わらず“批判の人”であることだ。やや精彩を欠いた表情と声に老醜が忍び寄っていた。また、民主党の現状を、「“小泉ハリケーン”に襲われて、仲間の多くを海に投げ出され、浸水が止まっていない」と例えた。つまり、民主党の惨敗は小泉首相のせいだと言うのである。自分達は何も悪くないと言わんばかりの論法は、自民党を選んだ国民を愚弄するものだ。


 それに較べると前原氏の若さ、真摯さ、真剣さには好感が持てる。私は民主党は大嫌いだが、前原と枝野幸男は、好きな政治家である。


 負けた後に、どう次の勝因を積むか。これが今、民主党に問われている。


 岡田民主党が大敗を喫した一つの理由に、他党との連携を拒絶したことがあったように思われる。60議席以上も減らしてしまったのだから、ありとあらゆる党との連携も考慮すべきだろう。政策実現のためとあらば、自民党とも手を組んで然るべきだ。


 民主党は今こそ政権を担えるだけの政党として、度量を示してもらいたい。地域活動の弱さが以前から指摘されているが、そんなことでは、またぞろ国民から見放されてしまう。議席を減らした今だからこそ、「国会議員の数を減らそう」と提案すれば、国民は喝采を惜しまないだろう。


 心して欲しいのは、若い代表となったことで、菅・鳩山・小沢などの長老による院政になってしまえば、古い自民党と同じ道を辿ることになる。それだけはご勘弁。