古本屋の覚え書き

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ニュース拾い読み・書き捨て 14

日米同時多発本塁打(読売新聞 2001-10-06付)


▼チト不遜なタイトルだな▼海の向こうではジャイアンツのボンズ外野手が大リーグ記録タイの70号をかっ飛ばした。この3連戦で3敬遠を含む9四死球というのだから、難産の末の大記録。残り3試合は目が離せない。とはいうものの内にはテレビがない▼日本では近鉄のローズ選手が惜しくも新記録ならず。タイ記録の55本のまま、昨日、最終試合を終えた。ローズに対してもあからさまな敬遠こそ少なかったものの、ストライクが極端に少なかったのは事実だ。問題視されたダイエー戦では、お偉いさんから異例のお達しが出たほど。ダイエー首脳陣の一人は、新記録が出ることをハッキリと拒否するコメントを放った。馬鹿な野郎だね、全く。こういう手合いは、豆腐の角に頭をぶっつけて死んでもらいたいね。お前に野球をやる資格ナシ。公務員となるか、自民党代議士のお抱え運転手にでもなった方がよかろう。この手のどうしようもない保守的性格の骨董品野郎は、日本のそこここにいらっしゃる。外国人力士を拒もうとした相撲協会のジジイとかだね。こいつら自民党に投票してんだろーな▼ボンズは外国人選手にしては珍しく、日本受けしそうな物静かなタフガイ。マスコミの前で派手なパフォーマンスをすることは全くない。「四球も立派な戦術だ」という彼のコメントにスポーツマンシップの鑑(かがみ)を見る思いがする。だが「立派な戦術」というのは、四球が不可欠なゲームの局面であれば言えることで、記録潰しの卑怯な手段とは質を異にする。数え切れないほどのファンが注目する中で、よくもこうした下劣なことができるものだ▼日米の子供達は学んだことであろう。自分よりも強い者とは戦わないことが利口であることを。自分より優れた者と対峙した時には尻尾を巻いて逃げることを▼ホームラン記録を妨げた投手・相手チームの卑劣さはテロリスト並みだ。スポーツマンとしての誇り、自らの技術に対する確信、勝負を挑む潔さ、それでメシを食っているというプロの自覚、これらがどこにも見当たらない▼四球を投じた相手投手と、それを指示、あるいは黙認した監督を逮捕することを当局に要請したい。多くのファンや青少年から夢を奪う罪は余りにも重い。