古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

目撃された人々 9

 早稲田青空古本祭の初日は雨にたたられた。青空が顔を出した2日目に足を運んだ。場所は早稲田大学文学部傍の神社。前日が雨だっただけに結構な賑わいだった。若い女性もチラホラ見えたが、あれは早稲田の学生さんかしら。収穫はまあまあといったところ。及第点ギリギリですな。早稲田古書店街の総力を挙げてこんなもんかね? というのが偽らざる実感である。


 この手の場所で業を煮やすのは、 古本屋のオヤジとおぼしき年寄りが自分の動くペースを死守する余り、平気で人の身体にくっついてくるところだ。昨日もある年寄りが3度、同じ真似をしてきたので「おい!」と声を荒げた瞬間、すっと身体を離すのだが、どこ吹く風といった面持ち。


 もう一遍やったら鳩尾(みぞおち)にパンチを入れてやろうと思ったが、チャンスは訪れなかった。ジイサンのレーダーには、私の顔がちゃあんと引っ掛かるようになったらしい。


 政治家どもがボーーーッとしている間に、不況の大波が次々と襲いかかってきているが、その中であれだけの賑わいを目にすると、なんとも心が励まされる思いがする。


目撃された人々