古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

ニュース拾い読み・書き捨て 2


自民党新総裁に小泉氏がほぼ確定。国民よりも驚いているマスコミが面白い。4月23日付朝日新聞の社説では「1ヶ月前にはだれもが思いもしなかったことだ」と記しておきながら、わずかこの2行後で橋本氏を指して「時代の変化を読み誤ったとしかいいようがない結果である」と貶(けな)してみせる▼全くもって朝日らしい論調に大笑い。「時代を読み誤る」のはマスコミの十八番ではないか。一体全体、何様のつもりで書いてるんだろうねえ▼安楽死を巡る議論を掲載しているので、死にまつわる記事を▼ドイツで、ベルディの歌劇『アイーダ』の演奏途中で指揮者が倒れ、死去(4月21日付朝日新聞夕刊)。『アイーダ』の3番で指揮棒が止まったとのこと。亡くなったのはドレスデン歌劇場管弦楽団の首席指揮者であるジュゼッペ・シノーポリ氏。聴衆は一旦、ロビーに出され、その後、演奏中止が伝えられた。彼の来世は『アイーダ』の3番の続きから始まるに違いない。見事な死に様と考えるが、如何(いかん)?▼歌手の三波春夫さんが4月14日、逝去。高度経済成長の幕開けソングとでもいうべき「♪こんに〜〜ちは〜〜」の万博ソングが忘れられない。芸人の魂を持つ歌手がどんどんいなくなってゆく。最近詠んだという句が胸を打つ。【逝く空に 桜の花が あれば佳(よ)し】▼舞い散る桜花の彼方へ、彼は旅立った。死後も尚、彼の歌は人々の耳を慰め続けるだろう。ご冥福を祈る。