古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

TPPをめぐる議論の間違い 推進派の俗論を排す

 TPPの推進も、FTAAPの一里塚というよりも、ASEAN+3などのアジア圏形成を遅らせるのに好都合なのである。米国自身、「これは対中国包囲網だ。日本は中国が怖いのだから、入った方がいい」と説明している。中国も韓国もインドネシアもタイもNOといっているTPPに、もし日本が入れば、アジアは分断される。世界の成長センターであるアジアから米国が十二分に利益を得るためにも、米国が覇権を維持するにも、アジアは分断されているほうが好都合である。


鈴木宣弘

アフリカが、コンゴが危ない

 オバマは、アフリカでの“人道主義的使命”はウガンダ政府が「神の抵抗軍」(LRA, Lord’s Resistance Army)を打ち負かすことを援助するにある、と言う。オバマが言うように、“LRAは中央アフリカで何万もの老若男女を殺し、レイプし、拉致してきた。”これは確かにLRAのやってきた事だ。だが、それは、アメリカが寄与し、執行させた幾多の残虐行為を想起させる。例えば、コンゴ独立の指導者で最初の合法的選挙で選ばれた初代コンゴ首相パトリス・ルムンバの、CIA主導による暗殺とCIA主導のクーデター、モブツ・セセ・セコの擁立に続く1960年代の大量殺戮、セコは金次第で何でもするアフリカの最高に腐敗した暴君と見なされた男だ。


私の闇の奥