古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

『レアメタル・パニック Rare Metal Panic』中村繁夫(光文社ペーパーバックス、2007年)



レアメタル・パニック  Rare Metal Panic (光文社ペーパーバックス)

「産業の米」と呼ばれるレアメタル希少金属)は、日本が産業立国として生きていくために必須の物質だ。なぜなら、レアメタルがなければ、パソコンもテレビも携帯電話もハイブリッドカーも作れないからだ。そのレアメタル市場が、現在、大混乱となっている。それは、日本がほぼ全面的に供給を依存している中国が、レアメタルの輸出を制限し、さらに買い占めに走っているからだ。おかげで全てのレアメタルが高騰している。レアメタルはいざというときのために国家備蓄されているが、それはわずかな量でしかない。繰り返すが、その備蓄がなくなれば、日本の産業は「開店休業」状態となる。では、日本はどうすればいいのか? 本書は、生き馬の目を抜くレアメタルの世界で長年生きてきた著者が、その現状を赤裸々に書いたものである。

「トリウム原発」とは

 現在、世界で常用しているウラン原子炉は燃焼効率の悪い“石炭ストーブ”のようなものだ。わずかな最上質の燃料を燃やしただけで大量の‘石炭の燃え滓’(核廃棄物)を残す。


中国が独占意欲「トリウム原発」とは 米国はしたたかに“潜行” 日本の出遅れ感は大きい/谷口正次】

 トリウムは連続的にウラン233を作ることによってトリウム自身の燃料を生み出し(=増殖させ)、同じ量の燃料からウランの約90倍のエネルギーを生み出すことができる。ウラン233の核分裂反応によってプルトニウムその他核兵器製造原料を発生することがない。トリウム溶融塩炉方式では、燃料が最初から溶融しているのだから、燃料棒のメルト・ダウンということはあり得ない。そして、核反応は冷却に従って減速される。(ウォール・ストリート・ジャーナル)


さよならウラン、こんにちはトリウム 米中印が続々参入…福島原発事故で浮上した未来の原発/谷口正次】

ニュルンベルク法=ドイツ純血保存法、国家市民権法

 この法律(※ニュルンベルク法=ドイツ純血保存法、国家市民権法)をきっかけとして、ホロコーストは加速していく。まず、商店、映画館、レストラン、ホテル、薬局などの公共の場所で、「ユダヤ人お断り」の看板が目につくようになる。公園のベンチでさえ、アーリア系とユダヤ系で席が分けられるようになっていくのである。


【『権威主義の正体』岡本浩一〈おかもと・こういち〉(PHP新書、2005年)】


権威主義の正体 PHP新書 330

錬金術は不老不死も目指していた

 西洋の錬金術は、古代エジプトからアラビアを経てヨーロッパに伝えられた化学的技法として近代科学の基礎となったものだが、卑金属を金に変えたりするだけでなく、不老不死の万能薬を作ることも旺盛に試みたのだ。


【『霊はあるか 科学の視点から』安斎育郎〈あんざい・いくろう〉(講談社ブルーバックス、2002年)】


霊はあるか―科学の視点から (ブルーバックス)