2冊挫折、1冊読了。
挫折13『スティグマの社会学 烙印を押されたアイデンティティ』アーヴィング・ゴッフマン/石黒毅訳(せりか書房、2001年)/文章が読みにくい上、構成が悪い。社会の差別構造は、社会学よりも進化論でアプローチすべきだというのが私の持論。理由は物語の再構成で差別意識を払拭することはできないからだ。まったく新しいインセンティブを考える必要もある。数十ページで挫ける。
挫折14『1940年体制 さらば戦時経済』野口悠紀雄(東洋経済新報社、2010年)/狙いはいいのだが読みにくい。驚くべき事実を示しながら、無味乾燥な文章で綴られている。もう少しドラマチックにできないものか。半分を少し過ぎたところで中止。誰かがリライトすれば、ベストセラーになるかもね。
28冊目『介子推』宮城谷昌光〈みやぎたに・まさみつ〉(講談社、1995年/講談社文庫、1998年)/『重耳』を読み終えたので再読。宮城谷は後半に失速する癖がある。ラストで重耳が介推(かいすい)のことを知る件(くだり)もあっさりしすぎだ。孔子の弟子であった子路(しろ)と介子推は似ている。この清らかな正義感を知る人は少ない。陽報なき陰徳を損と考える人の方が多いことだろう。その浅ましさを私は嗤(わら)おう。