古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

北方領土ビジネスの領袖・袴田茂樹青山学院大学教授

佐藤●青山学院大学袴田茂樹(はかまだ・しげき)教授は、「橋本三原則」のひとつである「長期的視点」について、「ロシアに対して『問題解決に時間がかかってもいい』という誤ったシグナルを送ることになった」と批判していますが、まったくピントのずれた解釈ですね。「『長期的視点』で日ロ関係を進めるためには、領土問題をできるだけ早く解決しなければならない」というのが正しい理解なのです。
 おそらく袴田教授はこのことがわかっているのに、あえて曲解したいい方をしているのでしょう。なぜなら、「北方領土ビジネス」に傷がつくからです。「北方領土ビジネス」というのは、北方領土問題に関わることで利益を得ようとする行為です。したがって、領土問題が解決せずに長引けば長引くほど金や利権になるのだから、できるだけ足を引っ張るような論陣を張ろうとするわけです。


【『北方領土 特命交渉』鈴木宗男佐藤優講談社、2006年/講談社+α文庫、2007年)】


北方領土 特命交渉 (講談社+α文庫)

ソフィア・コワレフスカヤが生まれた日


 今日はソフィア・コワレフスカヤが生まれた日(1850年)。ロシアでは初めて、ヨーロッパを含めても3番目に大学教授の地位を得た女性。女性に学業は不要とされた時代にありながら幼少期から独学で数学を学んだ。類い稀な話術の持ち主で「会話のミケランジェロ」とも称された。


天才の栄光と挫折―数学者列伝 (文春文庫)

ピエール・ジョゼフ・プルードンが生まれた日


 今日はピエール・ジョゼフ・プルードンが生まれた日(1809年)。アナーキズムの理念的ルーツは古く、特定の思想家の信念や思想として生まれたものではなく、自由を求める歴史の中から精神の自然史というような形で生成してきたもので、近代のアナーキズムはフランスのプルードンの思想に始まる。


プルードン・セレクション (平凡社ライブラリー) 革命家の告白―二月革命史のために アナーキズム―名著でたどる日本思想入門 (ちくま新書)