ウソの論理

 ウソにはウソの論理がある。というよりも、ウソはウソであるからこそ論理の裏付けを必要とするものなのだが、外形的なもっともらしさを抜きに、ウソは成立しない。
 真実は、必ずしも論理的である必要は無い。理屈にはずれていても、現実ばなれしていても、事実は事実だ。だからたとえば中山ミホと辻某が夫婦であることは、にわかに信じ難い話であっても、事実なのだ。到底承服しかねる事態であり、なおかつまったく理屈に合わない成り行きではあるにしても、とにかく事実は事実なのである。かように、事実は、事実であるという一点においてあらゆる無理を押し通すことができる。が、ウソは違う。ウソは無茶であってはならない。しみったれていても、胡散くさくても陳腐でも、事実は事実だが、ウソは極力もっともらしくあらねばならぬ。


【『かくかく私価時価 無資本主義商品論 1997-2003』小田嶋隆(BNN、2003年)】


かくかく私価時価―無資本主義商品論1997‐2003

ゲバラ、人民社会党を批判

 のちに人民社会党の幹部たちと会談したさい、
「あなたたちは、牢獄の中でひそかに殺されてしまう幹部を養成することはできるかもしれないが、雨あられと飛んでくる敵弾の中へ突撃する戦士をつくることはできない」
 といって、その有言不実行ぶりを批判している。


【『チェ・ゲバラ伝』三好徹(文藝春秋、1971年)】


 政治家と革命家との違い。


チェ・ゲバラ伝

白洲正子が生まれた日


 今日は白洲正子が生まれた日(1910年)。夫は白洲次郎。幼少期より梅若流の舞台に上がり能の造詣が深く、青山二郎小林秀雄の薫陶を受け骨董を愛し、日本の美についての随筆を多く著す。梅原龍三郎や、晩年は護立の孫で元首相の細川護熙河合隼雄多田富雄などの理系学者との交友もあった。


白洲正子自伝 (新潮文庫) 西行 (新潮文庫) 古典の細道 (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ) 能の物語 (講談社文芸文庫)

森茉莉が生まれた日


 今日は森茉莉が生まれた日(1903年)。54歳で鴎外に関するエッセイ『父の帽子』を発表し日本エッセイスト・クラブ賞を受賞。その後、『甘い蜜の部屋』(泉鏡花文学賞受賞)、『恋人たちの森』(田村俊子賞受賞)などの長短編小説群を著す。三島由紀夫などから激賞され一躍作家の仲間入りをした。


父の帽子 (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ) 甘い蜜の部屋 (ちくま文庫) 恋人たちの森 (新潮文庫) 貧乏サヴァラン (ちくま文庫)