テレビ番組の存在論

 あなたがテレビ番組の『ペイウォッチ』を見ているとする。さて『ペイウォッチ』はどこに局在しているのだろうか? テレビの画面で光っている燐光体のなかにあるのか、ブラウン管のなかを走っている電子のなかにあるのか。それとも番組を放送しているスタジオの映画用フィルムやビデオテープのなかだろうか。あるいは俳優にむけられたカメラのなかか?
 たいていの人は即座にこれが無意味な質問であると気づくだろう。もしかすると、『ペイウォッチ』はどこか一カ所に局在しているのではなく(すなわち『ペイウォッチ』の「モジュール」というものは存在せず)、全宇宙に浸透しているのだという結論をだしたくなった人もいるかもしれない。だがそれもばかげている。それは月や、私の飼い猫や、私が座っているソファには局在していないからだ(電磁波の一部がこれらに到達することはあるかもしれないが)。燐光体やブラウン管や電磁波やフィルムやテープは、どれもみなあきらかに、月や椅子や私の猫にくらべれば、私たちが『ペイウォッチ』と呼んでいるシナリオに直接的な関係がある。
 この例から、テレビ番組がどんなものかを理解すれば、「局在性か非局在性か」という疑問が力を失い、それに代わって「どういう仕組みになっているのか」という疑問がでてくるのがわかる。


【『脳のなかの幽霊』V・S・ラマチャンドラン、サンドラ・ブレイクスリー/山下篤子訳(角川書店、1999年)】


脳のなかの幽霊 (角川文庫)

日本の国債は世界一安全

 もし、本当に国の借金が問題なら、誰が日本国債など買うだろうか?
 本当に財政が危機的状況で「破産寸前」なら、日本国債の買い手は非常に少なくなるはずだ。買い手が少なければ国債の市中価格は暴落し、金利はもっと上昇していなければならない。
 ところが日本の10年物国債市中金利は先進7ヶ国中最低であり、日本国債は先進7ヶ国の国債の中で、相対的に最も買い手が多く最も安全な債券であると言える。先進国中最も安全ということはすなわち、世界一安全ということだ。


【『国債を刷れ! 「国の借金は税金で返せ」のウソ』廣宮孝信〈ひろみや・たかのぶ〉(彩図社、2009年)】


国債を刷れ! 新装版-これがアベノミクスの核心だ-