古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

内部の人間

 閉ざされている人間、自分の手で自分の心を閉ざしている人間とは、内部の人間のことである。なぜ内部にいるのか。自分の心が外部から傷つけられるのに耐えられぬからだ。その第一歩は臆病者、あるいは卑怯者であり、これはもっとも低級な種類である。外部から傷つけられぬためのもっとも簡単な経済的な防衛は、自分が外部からすっかり拒否されていると思いこみ、閉め出された状態に身をおくことである。いちばん受身の最小の地点、いちばん弱い地点、それがもっとも巧妙な隠れ場所なのである。


【『内部の人間の犯罪 秋山駿評論集』秋山駿〈あきやま・しゅん〉(講談社文芸文庫、2007年)】


「ターニャの日記」の最初のページが書かれた日


 今日は「ターニャの日記」の最初のページが書かれた日(1941年)。1930年生まれ。享年14歳。サヴィチェフ家は死んだ/みんな死んだ/残ったのはターニャだけ


ターニャの日記 (子ども平和図書館)

アーサー・エディントンが生まれた日


 今日はアーサー・エディントンが生まれた日(1882年)。20世紀前半における最も重要な天体物理学者の一人。「一般相対論を理解しているものは世界中に3人しかいないと聞いているが、その一人はあなたですね?」と尋ねられ、しばし沈黙して答えた。「はて、3番目の人が思い当たらないが」。



ブラックホールを見つけた男 相対論がもたらした時空の奇妙な幾何学―アインシュタインと膨張する宇宙 (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ)