古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

ロメオ・ダレール、伊勢崎賢治


 1冊読了。


 110冊目『NHK未来への提言 ロメオ・ダレール 戦禍なき時代を築く』ロメオ・ダレール、伊勢崎賢治NHK出版、2007年)/地獄を知る二人が対談した番組を書籍化したもの。実に素晴らしい内容だ。非常に高度で実践的な平和論が語られている。伊勢崎は聞き役に回っているが鋭い質問を突きつけている。ダレールはルワンダからカナダへ戻った後で自殺未遂をしていた。現在は上院議員を務める。国家主権を超える「保護する責任」という概念を初めて知った。既に国連世界サミットで採択されている。カナダはPKO発祥の国だそうだ。唯一の瑕疵は90ページあまりしかないのに980円は高い。ムックの体裁にすべきだ。

ボードリヤールの真情

 世界は錯乱的な状況にむかっているのだから、われわれも錯乱的なものの見かたにむかわなくてはならない。


 極限で苦しむより、極端なことをして滅びたほうがよい。


【『透きとおった悪ジャン・ボードリヤール塚原史〈つかはら・ふみ〉訳(紀伊國屋書店、1991年)】


透きとおった悪

不明確な文章は不明確な思考から生まれる

 えせプロである確かなしるしのひとつは、文章が不明確でわかりにくいことだ。不明確な文章は不明確な思考から生まれる。ほんもののプロなら、込み入ったアイデアを明確にわかりやすく説明することができるはずだ。
 えせプロによく見られるもう一つの特徴は、複雑なプロセスとテクニックの適用法を知り、習熟もしているが、その限界を理解していないこと。


【『伝説のトレーダー集団 タートル流投資の魔術』カーティス・フェイス/飯尾博信、常盤洋二監修、楡井浩一訳(徳間書店、2007年)】


伝説のトレーダー集団 タートル流投資の魔術

若山牧水が生まれた日


  今日は若山牧水が生まれた日(1895年)。大の酒好きで一日一升程度の酒を呑み、肝硬変で死亡。夏の暑い盛りに死亡したにもかかわらず、死後しばらく経っても遺体から腐臭がしなかったため、「生きたままアルコール漬けになったのでは」と医師を驚嘆させた逸話がある。


若山牧水歌集 (岩波文庫) 新編みなかみ紀行 (岩波文庫) 若山牧水随筆集 (講談社文芸文庫)

ホルヘ・ルイス・ボルヘスが生まれた日


 今日はホルヘ・ルイス・ボルヘスが生まれた日(1899年)。父の豊富な蔵書に親しみ、幼い頃から執筆を行っていた。1909年にワイルドの『幸福な王子』をスペイン語に訳して新聞に発表。あまりに見事な訳だったため誰もが9歳の少年の仕事とは思わず、同名の父による訳文と誤信した。



伝奇集 (岩波文庫) 創造者 (岩波文庫) アトラス―迷宮のボルヘス (^Etre・エートル叢書)