シモーヌ・ヴェイユ


 1冊挫折。


 挫折50『重力と恩寵 シモーヌ・ヴェイユ『カイエ』抄シモーヌ・ヴェイユ/田辺保訳(講談社、1974年/ちくま学芸文庫、1995年)/100ページを超えたあたりでやめる。肌が合わない。理由は何か? 彼女の信仰のせいではない。信仰であれば多少なりとも共感できるはずだ。読み始めて直ぐ違和感を覚えた。100ページ読んでギブアップした。純粋な彼女はきっとイエスと同じものを背負っていたのだろう。その覚悟が赤裸々に、そして静かに語られる時、ヴェイユの言葉は刃物と化すのだ。神を見つめる彼女は人間に背を向けた。そこに私は「行き過ぎたストイシズム」を感じてならなかった。神に支配された人々は、神の僕(しもべ)以外の人生を歩むことができない。ヴェイユの純粋さは幸せが近づくことを拒んだ。そんなふうに見えて仕方がない。

カネにまつわる検察庁の問題

 カネにまつわる検察庁の問題といえば、元大阪高検公安部長によって、調査活動費という裏経費が明るみに出たが、それ以外にもいろいろある。たとえば捜査予備費というのも、その一つだ。それは検察庁全体で2億円から3億円の年間予算があり、事件処理をする度に、そのなかから特別の報奨金が各地検に配られる。被疑者を一人起訴して公判請求すれば5万円、略式起訴なら3万円、起訴猶予でも1万円といったところだった。それらの大半が、地検の幹部の小遣いに化けるシステムである。
 つまり、各地検は扱う事件の数が多ければ多いほど、この特別報奨金が分捕れる仕組みになっている。そこで、地検の幹部たちは逮捕者の多い選挙違反を好んであげるのである。


【『反転 闇社会の守護神と呼ばれて』田中森一〈たなか・もりかず〉(幻冬舎、2007年/幻冬舎アウトロー文庫、2008年)】


反転―闇社会の守護神と呼ばれて (幻冬舎アウトロー文庫)