国策捜査、対露外交、陸軍中野学校、キリスト教、同志社学生時代、国体論、神皇正統記、大川周明……。『国家の罠』以後、「作家佐藤優」が取り組んできたテーマの多くがここに出揃っている。異能の外交官は日本を、世界を、そして自らをどう分析し、何を考えてきたのか?「文庫版あとがき」として160枚の新規書き下ろしを加え、“戦友”斎藤勉による「佐藤優の自白調書」待望の文庫化。
- 『国家の自縛』
ところで、徳川幕府に取って代わった明治維新の新勢力は、結局どのような人物たちでしょうか。
もちろん、薩摩と長州の武士たちです。
脈々と現代に生き続ける、日本の「勝ち組」の正体は、じつはこの薩摩と長州を中心とする勢力だということができます。
明治維新以来、昭和21年に日本国憲法が施行されるまでの間に任ぜられたのべ45人の内閣総理大臣のうち、薩摩出身者はのべ5人、長州出身者はのべ11人に上っています。倒幕に参加した土佐藩からはのべ1人、肥前藩からはのべ2人、占有率はじつに42パーセントを超えてしまいます。大蔵大臣、外務大臣などの主要ポストも薩長閥がほとんどです。
中央省庁のなかでも、とくに警察庁と防衛省は、薩長の牙城です。鹿児島県、山口県の出身者が多く、事情を知る関係者の間には「鹿児島県、山口県の出身者でなければ出世できない」という暗黙の了解があるほどです。最後まで新政府軍と戦った会津藩の福島県には、昭和になってからようやく国立大学が創られたというのも有名な話です。
【『洗脳支配 日本人に富を貢がせるマインドコントロールのすべて』苫米地英人〈とまべち・ひでと〉(ビジネス社、2008年)】
国際原子力機関(IAEA)の6月定例理事会が7日、開会した。イランの核開発問題などに加え、事実上の核兵器保有国とみられているイスラエルの「核能力」についても、92年以来初めて理事会の議題になった。
パレスチナ自治区ガザ地区に向かった支援船団をイスラエル軍が急襲、多数の死傷者を出した事件を受け、イスラム諸国を中心に反イスラエル機運が高まっていることもあり、核を巡るイスラエルへの風当たりは一層強まりそうだ。
イスラエルの同盟国・米国は、イスラエルの「核能力」について議題とすることに「留保」の姿勢を示したが、議題からの削除は求めなかった。
イスラエルの核問題では、昨年9月のIAEA年次総会で同国に核拡散防止条約(NPT)加盟を求める決議が採択されている。理事会ではこれを受ける形で、加盟国から意見を聴取する。ただ、決議など具体的な動きは予定されていない。
一方、天野之弥ゆき(や)事務局長は理事会冒頭の演説で、イランが引き続き、ウランの濃縮度を約20%に高める活動を拡大していると指摘。イランに対し、安全保障措置(査察)への一層の協力を呼び掛けた。事務局長は先月末の定例報告で「秘密裏に核弾頭開発を続けている可能性」に再び強い懸念を示していた。