古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

「We Con the World」(私達は世界を騙す)


 以下、gloomynewsのつぶやきより引用――

 プロパガンダ戦争:イスラエルのコメディテレビLatma TVがガザ支援船事件に関するイスラエル批判報道を皮肉ったパロディPVを公開。「We are the world」の替え歌で、「We Con the World」と題するビデオ。

「We Con the World」ビデオをLatma TVと共同製作したのは元イスラエル軍所属のジャーナリスト、キャロライン・グリック。グリックはワシントンのシンクタンクCenter for Security Policyのメンバー。http://ow.ly/1UNFu

 シンクタンクCenter for Security Policyメンバーにはリチャード・パール他ネオコン人脈がずらり。NYtimes紙報道によれば「We Con the World」ビデオをプロデュースしたキャロライン・グリックはネタニヤフ首相の元側近。


アンドレ・コント=スポンヴィル、ナオミ・クライン、トム・ロブ・スミス


 2冊挫折、2冊読了。


 挫折41『資本主義に徳はあるかアンドレコント=スポンヴィル/小須田健〈こすだ・けん〉、C・カンタン訳(紀伊國屋書店、2006年)/250ページでやめた。本書の半分が質疑応答となっているが、さほど面白くない。前半の講演もチマチマしていて説明が長すぎるように感じた。


 挫折42『ブランドなんか、いらないナオミ・クライン/松島聖子〈まつしま・せいこ〉訳(はまの出版、2001年/〈新版〉大月書店、2009年)/ナイキ、シェル、ギャップ、スターバックスといった国際企業が、どのようにアジアから搾取しているかを暴いたルポ。50ページで挫ける。大部にもかかわらず、文章が全く馴染めなかったためあきらめた。


 85、86冊目『グラーグ57 上』『グラーグ57 下トム・ロブ・スミス田口俊樹訳(新潮文庫、2009年)/案の定、前作の出来がよすぎた(笑)。筋書きが粗い。グラーグ57と呼ばれる刑務所に船で向かう件(くだり)はあまり必要性が感じられなかった。それでも一気読みさせられる。「家族の物語」は深刻の度を増す。レオ・デミトフ・シリーズは三部作で完結する予定とのこと。量産を抑えてじっくりと若き才能を育ててもらいたい。田口の訳は時々わかりにくくなる。他の作品も同様だ。

夢を食べて生きる者

 夢を食べて生きる者は空腹で死ぬ――ベンジャミン・フランクリン


【『フルタイムトレーダー 完全マニュアル 戦略・心理・マネーマネジメント』ジョン・F・カーター/長尾慎太郎監修、山下恵美子訳(パンローリング、2007年)】


フルタイムトレーダー完全マニュアル (ウィザードブックシリーズ)

町の光景

 新しい町の高層建築がまわりを取り巻いているが、橋から見たところではまだ古い町を圧倒するまでにいたっていない。かつての様子を、あるいはかくあるべきであったと思える姿を、雨を通して顧みている感じであった。


【『レイチェル・ウォレスを捜せ』ロバート・B・パーカー/菊池光〈きくち・みつ〉訳(ハヤカワ・ノヴェルズ、1981年/ハヤカワ文庫、1988年)】


レイチェル・ウォレスを捜せ (ハヤカワ・ミステリ文庫―スペンサー・シリーズ)