古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

子供

子供


 子供。
 お前はいまちいさいのではない、
 私から遠い距離にある
 ということなのだ。


 目に近いお前の存在、
 けれど何というはるかな姿だろう。


 視野というものを
 もっと違った形で信じることが出来たならば
 ちいさくうつるお前の姿から
 私たちはもっとたくさんなことを
 読みとるに違いない。


【『石垣りん詩集』(ハルキ文庫、1998年)】