古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

佐藤優


 1冊読了。この間、11冊も挫折している。


 114冊目『インテリジェンス人生相談 個人編佐藤優〈さとう・まさる〉(扶桑社、2009年)/いやはや驚いた。佐藤優は真剣勝負で他人の人生相談に応じている。どのくらい真剣かというと、「恋愛」ではなく「性愛」という項目があり、「チンポ、マンコ」のオンパレードである。これを浅はかに「下品」としか感じ取れない人は本書を読む資格がない。ありきたりな悩みから特殊な事情に至るまで、佐藤はグローバルスタンダードという視点から斬り込み、実に具体的なアドバイスをしている。実務家としての本領発揮がお見事。更に、一つ一つの相談に対して読むべき書籍を挙げているのも、読者としては嬉しい限りだ。引き続き、『社会編』も読む予定。

社会的評価


 社会的評価は計量できるものに限られる。賞状は相手を称賛することが目的ではなく、発行する側の権威を保つために手渡される。人柄や人間性は社会的評価の対象とはなり得ない。なぜなら計量できないからだ。社会的評価とは、勲章の個数や賞状の枚数を意味する。

親鸞の妻帯

 親鸞がはじめて公然と妻帯したことは有名であるが、その決心もまた(聖徳)太子のお告げによるものと考えられている。


【『日本仏教史 思想史としてのアプローチ』末木文美士〈すえき・ふみひこ〉(新潮文庫、1996年)】


日本仏教史―思想史としてのアプローチ (新潮文庫)