中丸美繪
1冊読了。
44冊目『嬉遊曲、鳴りやまず 斎藤秀雄の生涯』中丸美繪〈なかまる・よしえ〉(新潮社、1996年)/文句なしの傑作。読み終えるのが惜しいあまり、何度となく本を閉じたほど。本書を知らなかったこと自体が恥ずかしい。民主音楽協会編『齋藤秀雄・音楽と生涯 心で歌え、心で歌え!!』(芸術現代社、1985年)を読んで斎藤秀雄のことは知っていたが、弟子が語る斎藤の姿は断片的過ぎて、まるで額縁に収まった写真のようであった。ま、インタビュー集みたいな代物だから致し方ないか。本書は、父・秀三郎(高名な英語学者)にも触れられており、これがまた頗(すこぶ)る面白い。しかも、秀三郎が秀雄の人格形成に影響を与えたことが、巧みに綴られている。中丸美繪の作品は初めて読んだが、実に面白かった。既に絶版となっているが、どこかの出版社が版権を買うべきだと思う。私が過去に読んできた評伝の中では断トツぶっちぎりの一位だ。日本クラシック界の豪華絢爛たる一大絵巻である。
『挙手禁止』反対の都立高校長 竹花委員、人事介入発言
東京都立学校の職員会議で「挙手」や「採決」で職員の意向を確認することを禁止した都教委通知の撤回を要求する都立三鷹高校の土肥信雄校長(60)に、都教委の竹花豊委員が「人事上の措置」を講ずるよう事務局の都教育庁に指示していたことが分かった。同委員が26日、都教委定例会で述べた。同委員は警察官僚出身の元副知事。教育委員が特定教員への“人事介入”を公言するのは異例。
竹花委員は定例会で「土肥校長の言動は何らかの人事上の措置を講ずべきものとして事務局に検討を求めたが、すでに退職を間近に控え、意味が乏しいとの見解に理由があるので、見送ることを良とした」と語った。
都教委は昨年11月、土肥校長の言動について「何らかの反省を促す」方針で一致していたが、人事措置までは言及していない。竹花委員の指示はその後の時期とみられる。
本紙の取材に土肥校長は「何も間違ったことをしておらず、人事措置を受ける理由はない。間違っているのは都教委の方ではないか」と話している。
土肥校長は今春で定年退職。都教委の非常勤職員採用に応募したが、不合格となった。合格率は例年、100%近いため、不採用取り消しなどを都教委に求める民事訴訟を近く起こす考えという。
藤川球児がメディアに反論
色々と皆さんが困惑するような報道もされているようなので、自分の言葉で今の気持ちを伝えたいと思います。
今回のWBCは、自分のためではなく、チームのために責任を果たすという気持ちで代表入りを決めました。
結果的に、世界一という最高の成果が出たことは、僕も本当にうれしく思っています。
報道されているような、悔しいとか、悔いが残るとかいった気持ちは全くありません。
読者の方の目を引こうと記者の人も大変なんですね…。
でも、それで僕自身が誤解されるのは不本意なことです。
悔いが残るとか、準決勝・決勝と連投して胴上げ投手になりたいとか、そういう発言も一切していません。
また、代表を引退するとも言っていません。
自分としては、野球を始めようとしている子供たちや、今まであまり野球を知らなかった子供たちが
WBCをきっかけに野球に少しでも興味を持ってくれれば…というのが、最も強い思いです。
ソフトバンク:採用基準に携帯契約取れば評価 厚労省が調査
携帯電話大手「ソフトバンク」(東京都港区)グループの通信3社が、10年春の採用に応募している大学生らに、携帯電話の契約獲得実績を採用の可否の判断基準にする方針を伝えていたことが分かった。内定すら出していない就職希望者に賃金を払わないまま「営業活動」を求めていると受け取られかねない異例の選考方法で、厚生労働省は労働基準法に抵触する可能性もあるとみて事実関係を調査している。
ソフトバンクによると、ソフトバンクモバイル、ソフトバンクBB、ソフトバンクテレコムの3社は、営業・企画職や販売職で10年春の採用に応募した学生を対象に「特別面接枠」を設置。筆記と面接に加え「営業力」を選考基準としている。
特別枠に応募した学生には特設ホームページのアドレスを教え、専用のIDを交付。学生の営業で新規申し込みや他社からの変更契約に応じた顧客が学生からIDを教わり、契約の事実や名前を会社側に伝える。4月12日までに契約を終え26日までに利用が開始された場合、学生の実績として評価対象になる。会社側はこの実績を判断基準の一つとし、4月下旬以降に行われる特別面接に呼ぶ学生を選考するという。
3社は応募した学生に電子メールで選考方法を伝えたが、一部の学生らから「学生にソフトバンクグループが経済的な利益を得るような活動をやらせるというのは問題なのではないか」と疑問視する声が上がっている。
厚労省には応募した学生から情報が寄せられており、担当者は「内定前からこうした条件を定める例は聞いたことがない。法的に問題があるかどうかも含め事実関係を調査している」と話している。
これに対し、ソフトバンク広報室は「必要な営業力をアピールしてもらうためのもの。多く契約が取れたからといって、すぐに採用するというものではなく、問題はないと思う」と話している。
ソフトバンクによると、筆記試験や面接で判断する「一般コース」に加え、販売活動を判断基準とする「特別採用コース」として枠を設け、応募した学生ら全員に今月17日に伝えた。
同コースの希望者は、知人にソフトバンクモバイルの携帯電話などを販売し、売り方の工夫などをまとめたリポートを提出。特設サイトを通して購入してもらうことで、ソフトバンク側は紹介者を把握し、採用判断の基準にする。他社から番号持ち運び制を使って同社に移った契約も実績とするという。対象は、ソフトバンクモバイル、ソフトバンクBB、ソフトバンクテレコムの入社希望者。
ソフトバンクは、「普通に応募したい人を排除するものではなく、営業力を把握するための新しい採用基準の提案であり、契約の増加が目的ではない」としている。
【FNN 2009-03-25】